キット先生の豊かな心をはぐくむ子育て<第2回>
「ちばエコチル調査つうしん Vol.7」(2015年9月発行)より一部改変して掲載>
自分をコントロールする力をつけてほしい
ある日、お母さんが子どもたちに言いました。
「お母さんは今日、あなたたちが言うことをきかない時に大きな声でしからなくてもいい方法を勉強してきたんだけど、使っていいかな?」
子どもたちはもちろん「それはいい!」と大賛成しました。
以来、親子どちらにとっても良い方法として、そのご家庭で定着したスキルをご紹介します。
理にかなった指示であるのに子どもが言うことをきけないのは、こころが落ち着かない状態にあるからです。
子ども自身、どうしていいか分からない状態になっているので、こころが静かになる機会を与えることが必要です。
そのためには、お子さんを少しの間、その場から離します。
具体的に言うと、二分くらいの間、離れた場所のイスやクッションに静かにすわっているよう指示します。
その間静かにできれば、こころが落ち着いたので、元の場にもどします。
※「静かになる場所」は、お母さんから遠くない場所(居間でも廊下でも構いません)に、前もって決めておきましょう。
ステップは次のようになります。
〇ステップ1
近づいて穏やかに言う。
「(名前を呼ぶ)言うことをききませんでした。静かになるイスにすわりましょう」
〇ステップ2
(イスにすわったら)穏やかに言う。「ここで2分静かにすわります。2分静かにできたらおわります」
〇ステップ3
(2分静かにできたと判断したら)穏やかに言う。
「静かにできたから、終わります。」
〇ステップ4
同じ指示を繰り返すか、他の活動を与える。
〇ステップ5
できるだけ早くよい行動を見つけ、ほめる。
心を静かにする練習をしておくと、自己コントロールのスキルが育っていきます。
人とうまくやっていけるようになりますし、危険な状況から身を守ることもできるスキルです。
まずは、普段の落ち着いた状態のときにお子さんと練習してみてから、ご家庭に導入してください。