追加調査について
追加調査とは、全国15か所の全ユニットセンターで行われている全体調査に加えて、各ユニットセンターが独自に行う研究です。
全国的なエコチル調査では調べることができない詳細な研究を、大学の予算を使って行っています。
(事前に環境省の承認を受けて実施します)
千葉ユニットセンターでは、以下の追加調査を行っています
A. 全体調査の検査を終えて残った試料の保管と研究
全体調査では血液や尿などの試料を小分けして保存し、さまざまな分析をしています。みなさんからいただいた試料は非常に貴重なものですので、検査を終えて余った試料も保管しています。千葉ユニットセンターでは、これらの試料を用いて追加調査を行っています。
みなさんが提供した血液や尿を、追加調査に使ってほしくないというご希望がある場合は、千葉ユニットセンターにご連絡ください。ただし、結果がすでに論文として公表された場合など、データを取り消しできない場合があります。
A-1 PCB曝露状況に関する調査研究
体内に残留しやすいPCB(ポリ塩化ビフェニル)という化学物質が血液中にどのくらいあるかを調べ、食生活や居住地域、健康状態などとの関連について調査します。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・千葉ユニットセンターにおけるリクルート者全員のPCB暴露状況に関する調査研究
・母体PCB曝露と出生児の健康状態との関連
A-2 妊娠糖尿病と小児肥満についての研究
妊娠中に耐糖能障害を指摘されやすい人の特徴を明らかにします。妊娠糖尿病の早期診断あるいは発症予測につなげることが目的です。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・メタボローム解析を用いた妊娠糖尿病発症メカニズムの解明および早期診断マーカーの探索および小児肥満との関連
A-3 妊娠中のビタミンD濃度、日焼け止めクリーム使用とアレルギーとの関係についての研究
ビタミンDは皮膚が直射日光に当たると体内で生成されます。この研究では、妊婦さんの日焼け止めクリームの使用と、血液中のビタミンDの濃度やアレルギーに関係する「IgE抗体」との関係について調べます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・エコチル調査参加者データを用いた妊婦、出生児のアレルギーに対する妊婦のビタミンD濃度および日焼け止めクリーム使用の関与についての検討
A-4 妊婦のビタミンD代謝物濃度と子どもの成長発達との関係についての研究
妊娠中の血液に含まれるビタミンDや、ビタミンDから体内の化学反応で作られる物質(代謝物)の量を調べ、子どもの健康や発達とのかかわりを調べます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・エコチル調査参加者データを用いた児の発育および健康に対する妊婦のビタミンD代謝物濃度の影響についての検討
A-5 子どもの肥満を予測する物質についての研究
血液や尿にはたくさんの種類の「マイクロRNA」という物質が含まれており、その濃度を測ることによって病気を予測できることがあります。この研究では、妊婦さんの血液、尿と臍帯血に含まれるマイクロRNAの中から、子どもの肥満に関係するものを探します。肥満の早期診断やあるいは発症予測につなげることが目的です。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・肥満を予測する新たなバイオマーカーの探索
A-6 父親の化学物質曝露と子どもの健康との関係についての研究
お父さんの血液に含まれる化学物質と子どもの健康や発達との関係について調査します。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・父親の化学物質曝露による経世代的健康影響について
A-7 妊娠糖尿病と子どもの成長発達との関係についての研究
妊娠中に妊娠糖尿病を指摘された方について、臍帯血(へその緒の血液)に含まれるFABP4というタンパク質の量を調べ、子どもの健康や発達とのかかわりを調べます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・妊娠糖尿病母体児の予後と臍帯血FABP4(Fatty acid binding protein 4:脂肪細胞特異的脂肪酸結合タンパク質)との関連
A-8 妊婦のイソフラボン摂取と子どものアレルギー疾患との関係についての研究
妊娠中のお母さんの血液に含まれるイソフラボンやその代謝物の濃度を測定し、生まれたお子さんのアレルギー疾患との関係について調べます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・妊娠中の母体血中イソフラボン、イソフラボン代謝物および抱合体濃度と小児アレルギー疾患との関連
B. 将来の研究のための試料の保管(ファミール産院で研究に協力していただいた方対象)
B-1 へその緒の保管
将来、お母さんのお腹の中にいる間に曝される化学物質と健康との関わりを調べられるように、へその緒をいただいて凍結保存しています。
【研究課題名】
・化学物質曝露影響を評価するための臍帯バンクの構築
B-2 お母さん、お父さん、お子さんの唾液の保管
将来、ある種の病気が親から子どもへ受け継がれるしくみについて調べられるように、お母さん、お父さん、お子さんの唾液をいただいて、保存しています。
【研究課題名】
・両親と子どものトリオの唾液由来DNAを対象としたゲノムおよびエピゲノム解析
C. 意識アンケート
みなさんに安心して調査にご協力いただくための体制づくりや情報提供を行うために、みなさんのご意見を伺うアンケートを、郵送や詳細調査でお願いしています。
【研究課題名】
・疫学研究におけるインフォームド・コンセント体制の構築と評価手法の開発
・小児を対象とした疫学研究の倫理的課題に関する参加者意識調査
・エコチル調査全体調査における参加継続および倫理的課題に関する意識調査
D. メディア機器の利用についての研究
スマホ、タブレット、ゲーム機などの利用と、生活習慣や環境との関係を調べるためのアンケート調査をお願いしています。
【研究課題名】
・子どものインターネット利用にかかわる養育者の態度ならびに子どもの発達への影響に関する研究
E. アレルギーと腸内細菌の関連についての研究
(千葉、富山、兵庫、宮城、高知ユニットセンター共同研究、詳細調査で協力していただいた方対象)
詳細調査に参加している方のうち、この研究にご協力いただける方からお子さんの便をいただき、アレルギーと腸内細菌のかかわりについて調べています。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・アレルギー疾患・アレルゲン感作と腸内細菌叢の関連に関する研究
F. 乳歯調査
子どもたちがお母さんのお腹の中にいた時や、生まれて成長する時期を通じて体内に取り込んだ化学物質の量を調べます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・乳歯切片中の元素分析による乳児期の食習慣・授乳期間・化学物質曝露量の推定および曝露リスクの検討
G. 学童期検査・詳細調査の時に行う調査
学童期検査・詳細調査の時に追加の検査を行います。
子どもたちの健康や発達に、どのような要因が関わっているかを研究し、将来の病気を予防する方法をさがしていきます。(詳しくはこちらをご覧ください)
【研究課題名】
・末梢血DNAメチル化と子供の健康状態との関連およびそれに及ぼす遺伝因子の影響の解明および血中・尿中メタボロームを用いたバイオマーカーの探索
H. 脳のMRI検査を行う調査