エコチル調査とは、子どもたちが健やかに成長できる地球環境を未来に残すため、環境省が2011年から実施している大規模調査です。
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受動喫煙による健康被害について
国立病院機構 下志津病院 小児科医 鈴木 修一 先生
2020年の東京オリンピックを前に、受動喫煙防止条例の報道を目にすることが多くなりました。
自分で喫煙しなくても、他人の吸うタバコの煙を吸う受動喫煙にも体に影響があることは、申し上げるまでもないかもしれません。
タバコの煙はフィルターを通して吸い込まれる「主流煙」と、燃え端より発生する「副流煙」に分けられます。タバコの煙は数千種類の有害物質を含み、主流煙よりも副流煙の方が高い濃度となります。
たとえば、副流煙のジメチルニトロソアミンという発がん物質の濃度は、主流煙の20倍以上です。
タバコの煙の多くは2.5μm以下のとても小さい粒子(PM2.5)であり、肺の奥まで到達しやすく、一部が体内に取り込まれて全身に悪影響を及ぼします。
■大人以上に深刻な子どもたちの健康被害
多くの研究をまとめると、子どもは受動喫煙により気管支炎や肺炎、中耳炎、気管支喘息の発症率が1.5倍から2倍程度高まると考えられます。■空気清浄機も加熱式タバコも、害は無くせない
日本禁煙学会が示した非喫煙家庭内のPM2.5濃度は17μg/m3ですが、喫煙家庭では47μg/m3であり、アメリカ環境保護局が「子どもなどの弱者に危険」と定めた40μg/m3以上に相当します。※暴露(ばくろ)…有害物質や細菌・ウイルスなどにさらされること。または、さらすこと。
<2018年3月発行「ちばエコチル調査つうしんVol.12」より転載>