第48回日本毒性学会参加報告
森千里、2021年7月12日
- 学会開催期間:2021年7月7日(水)~9日(金) 会場:神戸国際会議場、ポートアイランド、神戸市
- 年会長:福井英夫(Axcelead Drug Discovery Partners 株式会社)
- 学会ホームページ:www.jsot2021.jp/contents/general.html
参加してみての感想: プログラム・要旨集、見たい方は声をかけて下さい。
テーマは、「生命の存続に貢献する毒性学」で、健康寿命延伸に貢献する毒性学。グローバル化推進。
シンポジウム29、特別講演2、ワークショップ 8、参加者2000人?以上(ネット参加含む、正式人数は後日、学会HPに出るはず)で、3日間会場参加+オンライン参加も含め、多くの人が参加されていた。
当教室にて学ばれた福島民雄氏(シオノギ製薬株式会社)にも、久しぶりにお会いできた。
学会での興味ある発表内容の簡単な紹介:
- シンポ1
- :基礎発生学と先天異常学から学ぶ毒性エピジェネティクス2.0
環境によるエピゲノム変化とその影響 秦健一郎 国立成育医療研究センター
- シンポ9
- :毒性オミクスにおけるエピジェネティクス情報を加えた人工知能化解析
AIで変わる毒性学、変わらない毒性学 北野宏明 システム・バイオロジー研究機構
毒性OmicsとAIによる慢性毒性予測 菅野純 国立医薬品食品衛生研究所
- シンポ16
- :子供の毒性学:脳の発達を中心に
「子供の毒性学:脳の発達を中心に」イントロ 菅野純 国立医薬品食品衛生研究所
DOHaDからPOHaDへ:経精子エピ変異の次世代脳発達への影響 大隅典子 東北大
子供の自閉症(発達障害)は増加しているのか? 市川剛
独協医大発達障がいの環境的因子‐現在の知見から今後の研究に向けて 土屋賢治 浜松医大
低用量化学物質の発生・発達期ばく露による成熟後の新景行動独泳の検出と評価 齋藤洋克 食品衛研
- シンポ22
- :Xebiotics代謝と解毒の動物種差 石塚真由美 北大医学研究院毒性学教室
- シンポ29
- :次世代研究セミナー:マイクロバイオームと毒性学
ヒトマイクロバイオームがもたらす健康と疾患 福田真嗣 慶応大
- 教育講演7
- :新型コロナウィルスの変異・免疫・ワクチン 児玉龍彦 東大先端科学技術センター
興味深かった講演:東北大、大隅典子先生「DOHaDからPOHaDへ:経精子エピ変異の次世代脳発達への影響」
- POHaD(Parternal Origin of Health and Disease)、父親側因子も次世代影響される報告有り。
- エピゲノム変異の経世代影響。父親加齢で、精子の低メチル化、次世代の自閉症スペクトラム症(ASD)へ。
- 高齢の父から生まれた子供に、低体重出生児や神経発達障害の増加。米国のEARLI studyより、父親の精子DNAメチル化変化と子どものASD的兆候に相関。DNAメチル化変化がASD患者と共通。
来年の毒性学会:第49回日本毒性学会学術年会年会長:石塚真由美(北大・大学院・獣医学)
会期:2022年6月30日~7月2日 開催地:北海道札幌市 会場:札幌コンベンションセンター