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【気になる子どもの病気】
先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)

生まれてくる子どものために、大人も風疹の予防接種を!


まなこどもクリニック 院長 原木 真名 先生


昨年(2018年)から風疹が流行しています。
2013年の大流行以降、発生数は年間100人前後に落ち着いていましたが、2018年は2917人、2019年は2月中旬までで667人が報告されました。
これは、とても大変なことです。


風疹感染の急拡大で、おなかの赤ちゃんが危険!

風疹は、麻疹(ましん:「はしか」のこと)に比べ軽症の症状の病気ですが、一番問題になるのは、妊娠初期のお母さんが感染すると、おなかの赤ちゃんが高い確率で「先天性風疹症候群」を発症するということです。

先天性風疹症候群は、心臓病、白内障、難聴が主症状の病気です。(図1)
他にも発育遅滞、肝障害、血小板減少など、症状は多岐にわたります。
2013年、14年の大流行では、国内で45人が発症し、11人が亡くなっています。

風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹が主症状といわれている病気ですが、症状は、熱が一週間も続いたり、重い合併症をおこすような重症なものから、症状がほとんどないものまで様々です。
症状がほとんどない人からも、感染は拡がります。また、症状が出る前一週間くらい前から、ウイルスが排泄されているため、発疹が出る前の風疹の患者さんからも感染します。
そのため、風疹の患者さんを隔離するのは非常に困難(ほぼ不可能に近い)です。 予防接種を受けていても、抗体が低い場合は、感染してしまう場合があります。


成人男性が多く感染。なぜ今、風疹が流行?

現在、風疹流行の中心となっているのは、成人男性(30代~)です。数としては女性の4倍にのぼります。これは、過去の予防接種歴に原因があります。
風疹の予防接種は、昭和37年に始まりましたが、当初は女子のみが対象でした。そのため、昭和54年以前に生まれた男性は、風疹の予防接種を受ける機会がありませんでした。
その後、制度の変更が数回あり、混乱して接種率が低い時期が続きました。 男女とも1歳から風疹のワクチンを受けられるようになったのは、平成7年からです。
平成12年生まれ以降は、1才時と年長さんの2回の、今と同じ制度となりました。


家族と未来の子供たちのため、ワクチン接種で流行をくい止めよう!

成人の間で感染が拡大すると、先天性風疹症候群の危険が高まることは言うまでもありません。
職場内で妊婦さんに感染させてしまったり、家庭に持ち帰って家族に感染させてしまったりして先天性風疹症候群の発生が起こってしまいます。
妊娠する可能性のある女性だけがワクチンを受けるという対応では、風疹の流行を収めることはできません。流行が大きくなると、感染する危険性も高まります。

とにかく大切なこと。それは、今の風疹の流行を止めることです。
流行を止めるには、多くの人がワクチンをうけて、感染拡大を防止するしか手段がありません。 これは、決して人ごとではありません。風疹は、今でも、全国的に、かなりのスピードで拡がっています。
お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん。未来の赤ちゃんに悲劇を起こさないために、ぜひ、風疹ワクチンをうけましょう。

現在、定期接種は1才と年長さん(就学前の1年間)です。 また、厚生労働省は、2019年~2021年度末の約3年間、これまで風疹の定期接種を受ける機会がなかった昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象に、風疹の抗体検査をしたうえで、定期接種(原則無料)を行うことを発表しました。
麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)で受けることになります。
また、各市町村で、風疹の抗体検査補助やワクチン接種費用補助が行われています。
費用がかかる場合がありますが、未来の命を守るために、ぜひご理解とご協力をお願いいたします。
内科、小児科医院で接種が可能ですので、お問い合わせください。 なお、妊娠している人は接種が受けられません。接種後2ヶ月は原則避妊が必要です。

<2019年9月発行「ちばエコチル調査つうしんVol.14」より転載>

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