センター長あいさつ

千葉大学予防医学センターは、「健康な体」「健康な心」「健康な環境」を基盤にした社会づくりを目指して、2007年(平成19年)に設立されました。初代センター長は、齋藤康・元千葉大学長です。

 歴史上経験したことの無い「超少子高齢化」時代を迎え、人々の健康への関心はかつてないほど高まっています。健康に年を重ね、楽しくはつらつと過ごしたい、子供たちにはすくすくと育ち友達をたくさん作って幸せに成長してほしい、私たちは、そのような将来を目指しているのではないでしょうか。

 健康に過ごすため、適度な運動と活動量に合わせた栄養バランスの良い食事を摂ることを心がけることや、自分の体質を知って生活習慣病予防のための習慣を取り入れることは多くの公衆衛生関係者・組織から告知活動がなされています。しかしそれには、個人がその大切さを自覚し、努力していく必要があります。

 一方、現代を生きる私たちは、多種多様な化学物質に囲まれており、そのような物質の中には健康を損なうものも存在します。かつて高度経済成長期、日本各地で「公害」と呼ばれた、環境中の汚染物質による健康被害が多発しました。今、その教訓から日本の環境は良好になりました。しかし、汚染物質の濃度は低くても、その種類は増える一方で、それらによる健康影響には未知の部分が多いのです。

 このような状況で将来世代の健康を守るために研究者としてできることは何か。当センターでは、以下のような研究・調査を進めて、人々が健康になる社会づくりを目指しています。

  • お子さんたちが生まれる前から思春期に至るまでの環境と健康の関係を追跡するコホート調査を実施する。環境省による「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」や、「ちば子ども調査」など。
  • 高齢者がいきいきと自立して生活できる社会づくりのための調査研究の実施。「日本老年学的評価研究(JAGES)」など。
  • 個人が努力しなくても、住んでいるだけで健康になる街づくりの研究。「ゼロ次予防戦略による健康で活動的な空間・地域を実現する『Well Active Community: WACo(ワコ)』プロジェクト(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「産学連携プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)」に採択)」など。
  • 当センターの活動を世界の公衆衛生に生かすための、WHO(世界保健機関)などの国連機関との国際専門家会議開催や、フランス、ドイツの大学などとの国際共同研究など。

そのほかにも、所属する研究スタッフらがそれぞれの分野で病気になる前に予防する「予防医学」や「社会医学」の研究を進めています。

 今を生きる私たちには、将来世代のためにより良い環境を残す義務があります。千葉大学予防医学センターは、異なる分野の研究者が共に手をたずさえ、50年後、100年後の社会を予測しながら研究を力強く進めていきます。

 皆様からの温かいご支援をいただけましたらありがたく思います。

予防医学センター長

森 千里

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